多変量解析といっても、目的とする解析内容、変数の属性によって様々な解析方法が存在します。ここでは、本書で取り上げる解析方法を、解析の目的と変数の属性によって整理して、目次の代わりとします。
解析の目的 | 目的変数 (従属変数) |
説明変数 (独立変数) |
解析法の名称 | 参照箇所 |
要因間に関連 (相関)がどれくらいあるかを解析する | なし | 連続変数 | 相関/共分散分析 | 01 (pp.7) |
要因間の関係をいくつかの因子で説明する | なし | 連続変数 | 因子分析 | 02 (pp.17) |
データに対応のある分類を表す要因 (説明変数) によって一つの目的変数に差があるかどうかを解析する | 連続変数 (1 つ) |
分類変数 | 要因配置分散分析 | 03 (pp.31) |
多群から 2 群を取り出して,差があるかを解析する | 連続変数 (1 つ) |
分類変数 | 反復測定分散分析 | 04 (pp.41) |
多群から 2 群を取り出して,差があるかを解析する | 連続変数 (1 つ) |
分類変数 | 多重比較検定 | 05 (pp.49) |
分類を表す要因 (説明変数) と状態を表す共変量(説明変数)によって,1 つの目的変数に影響があるかどうかを解析する | 連続変数 (1 つ) |
要因:分類変数 共変量:連続変数 |
共分散分析 | 06 (pp.59) |
分類を表す要因 (説明変数) によって複数の目的変数に同時に差があるかどうかを解析する | 連続変数 (複数) |
分類変数 | 多変量分散分析 | 07 (pp.69) |
分類を表す要因( 説明変数) 状態を表す共変量 (説明変数) によって,複数の目的変数に同時に影響があるかどうかを解析する | 連続変数 (複数) |
要因:分類変数 共変量:連続変数 |
多変量共分散分析 | 08 (pp.77) |
要因 (説明変数) から目的変数を推測する一次関数を求める | 連続変数 | 連続変数 | 重回帰分析 | 09 (pp.85) |
要因 (説明変数) を用いて目的変数が 2 つの値のうちどちらになるのかを推測する確率を求める | 分類変数: 2 個 |
分類変数 連続変数 |
多重ロジスティック回帰分析 | 10 (pp.97) |
データから求められる生存率を解析する | 分類変数: 2 個 |
群:分類変数 | カプランマイヤー法,生命表法 | 11 (pp.105) |
生存モデルを仮定して生存分析を行う | 分類変数: 2 個 |
群:分類変数 共変量:連続変数 |
パラメトリック生存分析 (比較ハザードモデル,ワイブルモデル,指数関数モデル等) | 12 (pp.121) |